くみんとあにすの妖しい1日




 今日もまた日が暮れて、クリムの町の大通りから人影が少なくなると、
Ωパトラッシュさんが子供たちを家路につかせます。
もう、そんな時間になったのかと、いつものように私…あにすはお店を閉め、
いつものように食卓につきますと、お姉様…くみんお姉さまは
私が端正込めて作ったお夕飯を心待ちにしておりました。

 「あらぁ?プリムちゃん遅いですねぇ?」

 その日はプリムさんはメテオさんとデートでした。
彼女の事ですから、メテオさんの気持ちを察することはなく、
何も無く時間が過ぎていってしまうはずです。
私がそのことを告げると、お姉様はあの可愛らしい
くすくす笑いをなさって、まぁ、プリムちゃんもおませさんですね☆
そんなことを仰っしゃっておりました。
 そういえば、私がクリムに来て、初めて二人きりの夜です。
くみんお姉様を追いかけて、私がここに来たときには、
プリムさんがお姉様と同居していました。
何度彼女を追い出そうかと画策した事でしょうか?
でも、町の皆様の目もありますので、彼女が居た方が都合が良いのです。
そんな訳で我慢に我慢を重ねて、三人で暮らしてきたのですが、
今宵をお姉様と一緒に過ごせると思うと、胸が熱くなってきました。

 「あにすちゃんもぉ、だいぶ大人らしくなりましたね☆」

 突然、そんな話題をなさるなんて…
お姉様の澄み切った瞳に見つめられて、恥ずかしくなってうつむいてしまいました。
お姉様の輝かしい瞳はまるで私の本心まで見通してしまうように感じたからです。

 「えっとぉ、こんなことされちゃうとぉ、感じちゃいますかぁ?」

 突然、お姉様の指先が私の首筋に触れました。
その柔らかく冷たい感触に、私は思わず身を縮めてしまいました。

 「あらぁ、あにすちゃんって感じやすいですぅ」

 緊張してしまった私を、お姉様はやさしく抱き寄せてくれました。
ああ、お姉様のお体はなんて暖かいのでしょう。
お姉様は私の髪を掻き揚げてくれました。
そして、私の耳を撫でてくれます。
そのくすぐったさに、私はお姉様の胸元で耐えていました。
ああ、何とふくよかなお姉様の胸…

 「せっかくですからぁ、あにすちゃんの全てがみたいですぅ☆」

 …お姉様の言葉が、私の心の扉を開けていきます。
どうしてお姉様を拒みましょうか?

 寝室には、いつのまにかお布団が敷かれておりました。
いつもは私の仕事なのに…お姉様は私を慈しんでくれています。

 ベットにゆっくりとお姉様と私は落ちてゆきました。
私のローブははだけてしまい、胸があらわになってしまいました。
お姉様はそんな私に微笑みながら、私のその小さな突起に接吻をなさってくださいます。
心地よい陶酔感が、私の中に吹き込まれていく感じがしました。

 「うんとぉ…ここですかぁ?」

 お姉様の指先は、あくまでやさしく、それでいて容赦無く私の身体を
火照らせていきます。吐息までもが熱くなっていきます。
そして、私の頭の中も…

 「ああっ…イヤっ…」

 「くすくすくす… いやだったらぁ、やめちゃいますよぉ」

 お姉様は、わざと意地悪な事をおっしゃいます。
私は急いで首を振って否定します。声が声にならないのです。

 身体、誰にも触れられたことのない部分、
頭の先から爪先まで、全部お姉様が開拓していきます。
私はもう、夢心地で、ただ、お姉様のなすがままに、
そして、私のからだが反応するままになっていました。

 「あにすちゃんのここ、もらっちゃいますぅ」

 お姉様の指先が、私の、まだ何も知らないつぼみに触れました。
何も知らないはずなのに、どうして潤んでしまうのでしょうか。
余りの嬉しさに、涙がこぼれてしまったのでしょうか?

 「…お姉様なら…喜んで…」

 瞬間の痛みはすぐに、お姉様が入ってきた感動で打ち消されました。
でも、いいのです、それは私が今まで望んできたことなのです。
私の中で、お姉様が動きます。

 声にならない声が、意識とは無関係に出て行きました。

 「くすくす…あにすちゃん可愛いですぅ」

 「おねえさまぁ…」

 「もっとぉ、よくしてあげますぅ☆」

 一瞬の高ぶりの後、全ての感覚が痺れてしまって、
この後何が起きたのか、何があったのかお伝えすることは出来ません。
私の外でお姉様が何をなさっているのか、それすらもわからなくなって行きました。
 心の芯が打ち震えて、気が狂ってしまうような衝撃が走った後、
堕ちていくような、全てをお姉様に委ねてしまった安心感で一杯に成って…
ああ、愛というものはなんとすばらしいものなのでしょう。
私の全てが、お姉様のものになれたのです。

 気がつくと私一人がベットに横たわっていました。
けだるく起き上がりましたが、
お姉様の様子は、いつもとお変わりになりませんでした。
もう、プリムさんも帰っていらっしゃっていて、
昨晩のことを問いただすことは無理でした。

 あれは夢だったのでしょうか?でも、私はあの時の高ぶりを忘れることはありません。
そうです、たとえ夢でも、いつかは現実になるものだと
私は信じていますから…



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