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 こそばゆい、体中に何かが纏わりついている感じがする。

 でもだからといって不快ではない。

 暖かく柔らかく懐かしい感触。

 それで居てまるで舌のように私をなぞって行くのは何故だろう?

 不思議・・・

 「あァんっ?」

 え?嘘・・・夢うつつな私、でもそれが夢ではない事がわかりかけてきた。

 動いている。

 この前買った毛布。ふかふかで、まるでカシミアウサギのように長い毛の毛布。 その肌触りが気に入ったので衝動買いした毛布。それが動いている。

 柄も気に入っていた、南米風の文様。詳しいわけではないけどなんだかそんな感じだった。

 その毛の一本一本が、まるで筆のように私の身体を愛撫していた。

 絶妙。

 不思議、でも気持ち良い・・・

 「はぁん・・・ああぁん・・・」

 思わず声が出る。暖かい吐息、自分でも可愛いと思う。

 “犯されている”と言う感じはなかった。恐怖も無かった。
 体を包む温もりがそれを感じさせなかった。
 只ずっとこのままで居たい。そう思った。

 濡れて来る・・・それを毛先が掻い出す。

 スポイトの様に水分を吸い取るがその優しい触手はあくまで乾いていた。

 凄い・・・乳首をさまざまな角度から同時に愛撫されている。 今までのSEXは何だったの?私が感じてきたものって全く子供だまし。

 体中をくるんでいる。その全てが私を弄ぶ。

 腹ばいになってみた。重力で毛布は潰れるが、胸を、お腹をこね回してくれる。 替りに背中を、私が今まで知らなかったくらい感じさせてくれる。

 首筋とお尻を微風のように撫でて行く。お尻の割れ目のラインが特に凄い・・・。

 次第に布がよれてこわばりを造っていくのが分かった。

 そして、私の中へ

 無神経なピストン運動ではなく、私の胎内をこれ以上無いほど細やかに、 まるで細胞一つ一つへ快感を送り込むようにそれ、それ達、その集合体が蠢く。

 何度も何度も頂上へ押し上げられる。

 染まっていく、浮んでいく、陥ちていく。

 もう戻れないと直感的に感じた。

 もう、男なんていらない。

 わたしは毛布を被った。

 キスの嵐が舞い下りた。




 「これで四件目ですよ?毛布による窒息死。しかもガイシャは全部若い女性です。」

 「んー・・・何が起きてるんだ?」

 警官は、最近増えてきている謎の連続死に頭を悩ますばかりであった。


???