謎式ガデス
〜 ガデスオリジナルストーリー・ストレンジミッション(3)〜


 翌日・・・。

 「がです殿。・・・あいしぃぴぃおぉからの物資が届いたとのことですぞ」

 日本時間にしておよそ午前四時半頃、ガデスは玄真という影高野の僧の連絡を受けた。
 もうすでに彼は休息を充分とっていたので、迅速に返事をした。

 「わかった」


 「精霊石製の銃弾と対魔族用のシルバー・ブリッド、悪魔探知用の“ハイブリッド見鬼くん”、以上の内容だそうです。・・・よろしいでしょうか?」
 「・・・・」
 「さすがにここは影高野、・・・殺生の為の道具を持ち込むことは戒律で禁じられておりまする故・・・とりあえずここ本尊においては例えあいしぃぴぃおおの指令と言えどこれ以上はまかり通らなかったのでござる」
 「・・・よって、必要な銃器類の受け渡しは門戸の外で行っていただきます。。もうしわけございませんが・・・」

 その時だった。


 「・・・・!!」
 急に、表情をこわばらせる栞。
 「・・・・」
 それとほぼ同時に、玄信という老僧の表情も栞と同様に引きつる。

 「兄者・・・」
 「うぬ・・・」

 そして・・・。

 「?何だ・・・!?」
 ガデスはおそらく彼が生まれて初めて感じたであろう『異質な気配』に強い警戒心を感じながら呟いた。


キキキキキキッ!!

 「こ・・・蝙蝠じゃと!?」
 「・・・・!」

 刹那、十数匹もの蝙蝠がその場にいた全ての人間めがけて襲いかかる!


 「・・・・!」
 「おのれ・・・」

 印を結ぶ玄信。

 「はあっ!」

ガッ!

 刹那、巨大な鬼の貌が何もなかった空間に突如出現し、数多の蝙蝠たちに向かっていった。

キュキュキュキュ!!


 「おお!」

 次の瞬間、蝙蝠のうちの約半数が鬼に喰われたかのごとく跡形遺らず消滅した。

 「なんと・・・!?」

 ・・・しかし、これは玄信にとって誤算だったようだ。

 「馬鹿な・・・!?兄者の力をもってして・・・」

キキキキキキキキ!!

 なおも襲いかかる蝙蝠の群。


 「・・・下がれ」

 その時、室内の空間が軋んだ。





特異効能的理力へ