30. わが国公立学校教員の勤務評定と学校評議委員会


杉田荘治


   T 方式  教頭を第一次評定、校長を第二次評定権者とする方式がよいが、
         さらに工夫する必要があろう。
イギリスの方式を参考にしてほしい。。 校長が評定するのであるが、しかし、統一的な客観
性をもたせるために都道府県教委に設置される学校評議委員会の意見や評価を参照すべ
きである。
 従って次に述べるような都道府県学校評議委員会の創設を望みたい。

イギリスでは、教育水準査察院 (OFSTED)によって、すべての学校や地教委 (LEA)が評価
されているが、校長はそれを参考にして教員の勤務評定を行なっている。


U 都道府県学校評議委員会
   設置
教員の勤務評定に客観性をもたせるためにも、また広く、学校の諸問題に対処するためにも、
学校評議委員会を都道府県単位で設置されることを期待するものであるが、その視察や校
長との質疑・応答等を通して学校の問題点を把握し、教員の勤務評定についても、これを利
用する方法である。
しかし、質疑・応答といっても、その項目は、どの学校についても共通で、予め公表された
形式による。
 また、時には校長に勧告することもあろうが、それを受け入れるか否かを含め
て、無理に結論を出さなくてもよい。 そのチーム、その校長が、それぞれ都道府県学校評議
委員会、地教委・都道府県教委へ文書で報告すればよい。
   構成
@ 都道府県ごとに創る。
A 性別、年齢別、教職経験者[現・旧]、親、一般市民、教育関係団体から選出する。
B 議員、教委スタッフ、監査委員など、直属系統 あるいは、それに類する者は、原則とし
  て含めない。
C 人選は、都道府県 から地教委などへ、候補者の推薦依頼し、最終的に都道府県レベ
  ルで補完する。
D 都道府県レベルでのトレーニングを修了した者とする。
E したがって、委員は学区、地教委の枠を越えてプールされ、個々のチーム編成も上記
  比率をできるだけ尊重する。
F 任期を設ける。 最長 8年ぐらい ?
G 彼ら自身で都道府県学校評議委員会を構成する。
   活動と権限
@ チームによる学校訪問。
A 原則として、学校訪問は予告しない。 但し、授業日、学校行事の日などについて事前
  に承知している。
B 前述のように学校視察と、校長との懇談、質疑・応答が主である。
  従って、評価は行わず、また必要に応じて勧告することが限度である。
C 質疑・応答の大綱は公表された形式による。
D 原則として、チームの委員の学区、地教委の学校訪問はしない。
E 原則として、簿冊の点検はしない。 [ 監査委員や指導主事など監査や視察とは異なる ]
F 原則として、授業中の教室には入らない。 但し、喧騒その他、異常のある場合は例外。
G 訪問の結果報告は、評議会委員チーム、校長が、それぞれ所属委員会、地教委などへ
  文書で報告する。
H 警察その他、関係機関への通報を必要とする時は、校長の了解を得ること。その了解
  が得られない場合は、その旨を、上記のようにそれぞれ報告する。
I 都道府県学校評議委員会全体としての結果報告については、別途、検討されること。
J 生徒、教員等の個人名は不要のこと。
K 委員は適当な守秘義務を負うことは当然である。
   関連して ー 学校ごとの学校評議会
    これまで述べてきたような都道府県学校評議会が作られれば、学校ごとの評議会は必要
    ではない。 それは学校や地域の実状に合っているという利点があるにせよ、学校PTA と
    の関係、また学校に“ 遠慮 ”したり、時には “ 馴れ合い ”になる欠点もあろう。現行のPTA
     を強化すればよい。


V 勤務評定と給与等
具体的な教員の勤務評定については、厳しい、 いわゆるメリット・ペイ方式ではなく、中間層
を非常に厚くした三段階、精々 五段階が妥当のように思われる。また優良教員の給与面で
の優遇策について、さら研究される必要があろう。
また評価の低い教員の再教育も必要であるが、同僚教員の協力・援助ぶりを勤務評定では
重視されることを望みたい。 それは職員会議の活性化にも関係する。
[自分達の学校]意識が減殺されるような勤務評定では、本末転倒である。また教員本人の
職能成長を図るための自己申告制度の活用についても、研究されることを期待したい。

追記(2006年8月)  なお第188編を参照してください。

. 2000年5月下旬 記         無断転載禁止