7. ケベックの独立問題


English version is here.
杉田 荘治

はじめに
     最近、たまたま、二人のカナダ人に会った。 一人はケベック州から来た人で、その論旨は必ずしも明確
    ではなかったが、ケベック独立派の一人であり、他の一人はケベック州以外の出身で、ケベックの独立に
    は反対の意見を持っていた。彼らの意見を、それぞれ聞いていても、その問題点がよくわからなかったの
    で、インタ-ネットから資料を得て研究することにした。

     流れている資料は、いくつかあったが、そのなかで最も基本的でしかも重要なものは、ケベック自治州に
    関する草案、"The draft bill on Quebec sovereignty"であるように思われた。 そこでまず、その概要を紹
    介するが、実は、これを見た時、かなり驚いた。これはケベック自治州を目指すというより、殆どケベック独
    立国の憲法草案ではないか、と。 いわゆる一国二制度の極端な例であろう。

    とにかく、その概要を述べる。 その後、若干の関係資料や統計を紹介し、最後に私の感想を記す。

 1994年12月6日、ケベック州首相から、ケベック州議会に提出された。ケベック議会は次ぎのように制定する。     Q. あなたは、ケベックはカナダから独立すべきだと思いますか?
      A. ケベックの人 ・・・・・はい   39 %
                     いいえ  43 %
                     意見なし 18 %

      B ケベック以外のカナダ全体の人 ・・・・・はい   10 %
                                いいえ  80 %
                                意見なし 10 %

    Q. あなたは、ケベック独立問題は、ケベックだけで決めるべきだと思いますか?
      それともカナダ全体で、決めるべきだと思いますか ?
     A. ケベックの人 ・・・・・ケベックだけで決める 45 %
                    カナダ全体で決める  40 %
                    意見なし         15 %

     B  ケベック以外のカナダ全体の人・・・・・ ケベックだけで決める 24 %
                                カナダ全体で決める  65 %
                                意見なし       11 %