(おてて、つないで、野道を行けば・・・)
大正8(1919)
作詞 清水かつら
作曲 弘田龍太郎幼稚園ソングの定番という感じの歌だがこの歌が大正時代の作品と
聞くと驚く人が多いのではないか。明るく朗らかなメロディーは
発表後80年を経た現在でも少しも古さを感じさせない。また詩の
内容も子供らしい夢を感じさせるものになっている。時代を超えて
支持される生命力を持った歌である。さて、大正8年にこの歌が発表された児童雑誌「少女号」は大正5
年に小学新報社から創刊されたもので清水かつらと鹿島鳴秋が交代で
童謡を発表し、作曲は弘田龍太郎が担当した。当時、子供の履き物は草履やゲタであり靴を履くことは珍しかった。
そのような時代に「靴が鳴る」というモダンな歌詞を考えた清水の
先進性がうかがえる。時代の先を行く歌というのは何か目新しい言葉
をやたらたくさん並べればよいというものではない。この「靴が鳴る」
のようにポイントになる言葉が一つあれば充分なのだろう。先に少し触れたように弘田龍太郎の曲もシンプルで美しく、しかも
いつまでも古くならない。音楽評論家の長田暁二(おさだぎょうじ)
氏も「弘田の書いた前奏は1小節だけだし、伴奏も単純。昔のあまり
オルガンが達者でない幼稚園の先生でも子供に合わせながら簡単に
弾けるように工夫してある。そういう面からもやっぱり名曲です。」
と述べている。
執筆 2000/8/30