息子と母と:パティ×マイト
母さん・・・マイトはパティの胸に抱かれて、満ち足りていた。 なんて暖かいんだろう、なんて安らぐんだろう。 マイトの頬に涙が流れる。
彼の涙を、パティはその柔らかな唇でぬぐってやる。 うっとりとした目でマイトはパティの、慈愛に満ちた瞳を見つめた。遠く時を隔てて、未だ己を生んでいない母。 しかし彼女の全てはマイトの記憶には無い母、そのものであった。 マイトは自分の堅く殺伐とした感情がほぐされて行くのを感じた。
「寂しかったのね、マイト。でももう良いのよ。我慢しなくて。」
パティの声は甘く優しく、マイトの耳をくすぐった。 戦いの怒声、恐怖に震える悲鳴、命が遊離する断末魔。 自分が奪った魂たちの怨念が、彼の耳から消えていくようであった。
「ママァ・・・」
パティの乳房に顔を埋めて、マイトはただ涙にむせた。
パティは、慈しむように、そんなマイトの髪を撫でる。 その度に、マイトの険のある表情が薄れて行く。 荒みきった、乾いた心にパティの優しい子守り歌が染み渡たった。
柔らかい彼女のからだ、今までマイトは人体は破壊すべきものであった。 抱きしめるものでも、抱きしめ合うものでも無かった。 彼女のからだに身を横たえて、自分から不安が抜けていくのを感じる。
パティが背中を撫でる度に、マイトは目を細め、喘ぐ。 彼女の優しいぬくもりがふわりとした匂いになってマイトの鼻をくすぐった。
「あなたはここから産まれてくるのね。」
マイトは胸から、彼女の腹部に頭をずらしていた。彼女の鼓動が良く聞こえた。 そして彼女の体内で忙しく命を維持する営みが行われている事を知る。 生きている事が、どれだけ大変な事かマイトは改めて噛み締めた。
衣擦れの音に気がついて、マイトはけだるそうに顔を上げた。 パティは自ら服を脱いでいた。陶器を思わせる白く濡れたようななだらかな肌に、 まるで彼女から、光が差しているよう見えた。マイトはしばしその美しさに陶然とする。
「私のおなかに、戻って来て。」
しなやかにマイトの体は、パティに被さった。
まだ未発達の乳房の丘は彼女が横たわっても形は崩れない。 瑞々しく張りのある肌に直接ふれあうとマイトの肌もそれに吸い付くようだった。 同じ遺伝子を持つもの同士、馴染みやすいのかもしれない。
マイトも自分の服を脱ぎながら、お互い全てをさらけ出す。 気恥ずかしさはなかった、お互い、こうなるのは運命だと感じていた。 マイトはパティの唇に、そっと自らの唇を重ねる。
ふわりとした感触は、自分の唇を閉じたときには得られないものだ。 ぬめるような花弁同士がするりと溶け合って、ゆっくりとしびれていく。 そうするものとは知らなかったが、自然と舌が絡んでいった。
ぴったりと寄り添うと、血も肉も一体に成った気がした。 お互いの鼓動が同じペースを取りはじめる。ずっとそのままで、長々とキスを続ける。
マイトは複雑なパティの秘所に困惑しながらも、 彼女に促されるまま奥まで突き進んだ。彼の荒々しいそれは パティはまだ、男を知らなかった。一瞬、組織の切れる痛みが走る。 予想以上の痛みにパティは顔を顰めるが、彼に心配欠けぬよう、にこりと笑った。
マイトも女を知らない。 それ以前に自分の体にこんな秘密があるなんて夢にも思っていなかった。 男の感覚も彼は知らずに居たのだ。全身に広がっていく快の感覚に翻弄される。 彼女の中に全てが包み込まれ、溶け込んでいく。
知らず知らずのうちに彼の動きが速くなっていった。息も荒い。 何故こんなに、なつかしい感じになるのだろう。憶えている訳が無い。 歯を食いしばり、自分が飲み込まれないように耐える、が、それにも限界がある。
マイトの荒い息遣いが、一度大きく動揺した。そして途切れ途切れになり、安らかに眠りに落ちた。 パティは、マイトが満足した事が何より嬉しかった。
お眠りなさい、私の坊や。
パティは、すやすやと吐息を立てるマイトを何時までも見つめていた。