風のゆくえ
秘密結社NOAの最奥には脱走者や捕虜を見せしめにする牢獄がある。 看守の趣味に合わせて石造りのようには見せかけているが、 N如何なる超能力者であろうが異様なまでに堅固に作られた壁を 打ち破る事はできないだろう。テレポートすら阻む亜空間の障壁が施されているからである。新たな生け贄が調達されていた。裏切り者の名はウェンディー・ライアン、 三日前にレジーナが捕獲し、そのまま拉致されてきたのだ。着の身着のままで 重く冷たい鎖に十字に縛り付けられている。 手首と足首、柔らかな肌に血がにじんでいる。立つ事も座る事もままならない 中途半端な格好で、彼女はじっと耐え続けていた。
NOAの構成員のほとんどがショーの始まりを待ち望んでいた。 部屋の内部は緻密に隠されたカメラによって包み隠さず全てが映し出される。 度重なる戦闘で壊れかけている彼らには丁度良い慰安なのだ。 ガタが来た彼らは、自分らよりも低みに落ちる者を望んでいる。
「気分はどうだい?」
女看守、レジーナ・ベルフロンドの入場である。真紅のコスチュームに身を包んだ彼女は いつもよりも上気した頬で今から玩具となる娘に対して微笑みかけた。 楽しくてしょうがないのを、無理矢理押さえつけている笑いだ。 ウェンディーはそんなレジーナに毅然として睨み付ける。
「おや、自分の立場が分かっていないようだね。」
レジーナはウェンディーの帽子に手をやった。彼女のトレードマークは一瞬真っ赤に染まって灰に帰した。 桃色のおさげに消し屑が張り付いた。炎使いレジーナの早業である。
「良い表情ね。」
ついとあごを引き上げる。頭が軽くなったウェンディーは一瞬隙が出来たものの、 すぐに気がついてレジーナの顔に唾を浴びせた。
レジーナは平然と笑みを浮かべ、ウェンディーに平手を食らわせる。 パンと軽やかな音が響いて、頬が赤く染まった。「自分の立場がよく分かってないようだね。物分かりの悪い娘にはお仕置きだよ?」
何をしても拷問にかけられるのだ。ウェンディーの瞳はそれでも反抗の色を消さなかった。 レジーナは彼女の顔を掴み上げ、小指で唇をなぞってやる。柔らかな口元の感触を楽しんでいる。 白く整った歯に触れたとき、突如彼女はレジーナの指に食いついた。 しかしレジーナも、血が滲んでもそのままにしている。
「このまま顔を吹き飛ばしても良いんだけど、それじゃあ面白くないしねぇ。」
元気が良い事を反って喜んでいるようだ。反論しようとしてウェンディーが口を開いた瞬間、 彼女の服をひき掴んで、縦に引き裂いた。ワンピース風の赤いドレスの前から、彼女の柔らかな乳房が零れ落ちた。 まだ完全に熟してはいないものの、素直に丸く膨らんでいる。
「何だ、良い形してるじゃない。」
「デカイだけのあなたよりマシよ。」
ウェンディーの呟きはしっかり彼女に聞こえてしまっていた。 思いっきり胸を抓られ、苦痛に顔が歪んだ。
「馬鹿な事言うんじゃないよ!」
一度は罵声を上げたが、自分の指に滲んだ血を淫蕩に舐めるレジーナ。 ウェンディーの胸を痛々しいまでに抓って引き伸ばす。
「どうしてあげようか?」
今まで舐めていた指で彼女の乳首を摘み潰そうとする。弱々しい彼女の 肌が今にも破れそうになる。それでもウェンディーはぐっと歯を食いしばって レジーナをしっかと見据えている。欲しいなら千切っても良いのよ。 それぐらいの覚悟が伺える。
「さすがだね。これぐらいだと調教のやりがいがあるね。」
調教?洗脳じゃなくて??今更ながらウェンディーはその言葉に違和感を覚えた。
「パティ、おいで。」
「はぁい、レジーナ様ぁ。」
甘ったるい声で、犬のように這って、しかも全裸で部屋に入ってきたのは、 パトレシア・マイヤーズ、パティであった。首にはリボンのほかに、首輪まで見えた。 ウェンディーはぎょっとした。パティの表情は恍惚の域をさまよい、 その瞳は空ろながら、爛々と輝いている。
レジーナが手を伸ばすと、パティの愛らしい唇が躊躇いも無くその指をしゃぶる。 ウェンディーはその光景に吐き気を催した。
「おまえもこの子と同じように、ペットにしてやるさ。」
「じょっ・・・冗談じゃないわ!」
「あんな事を言っているが・・・パティはペットになって幸せかい?」
「はぁい、パティはレジーナ様のペットになれて、とてもしあわせです。」
「いい子だ。なら、こいつはパティのペットにしてあげよう。十分に責めてやるんだぞ。」
「わあい、うれしいです。レジーナ様ぁ。」
この時、パティの目の色が変わった事にウェンディーは気がついて、背筋が寒くなった。 パティの容赦のない瞳は、自分よりもウェンディーを格下の物と認識した瞳である。 たかがペットだと思ったのが甘かった。パティは全てをレジーナに預けてしまっている。 そのため、彼女には良心の呵責も心のタガも失ってしまっている。
パティの陶器を思わせる体が、ウェンディーにしなだれかかった。 幼い肢体は白くしなやかで、そして冷たい。レジーナが台を操作したらしく、 次第にウェンディーは後ろに倒されていった。パティの体が重力に従い、 徐々に密着さを増していく。水平になったところで、ウェンディーの両の頬を パティは両の掌でつつんんだ。じっと彼女の瞳を見つめる。
欲望が滾々と沸いて出るようなパティの瞳にウェンディーは拒否の色すら浮かべる事ができない。 レジーナに対しては嫌悪する事が出来たが、彼女に対してはすっかり飲み込まれてしまっている。 パティは生け贄の脅えを受け取ると、彼女の唇をついばんだ。
「!! 能力を!!」
「そう、私が仕込んだんだけどね。」
唇から強力な刺激が流れ込んできて、ウェンディーは悲鳴を上げた。 パティの能力は“音”、彼女のビブラートは確実にウェンディーの性感を掘り起こしていく。 パティの口が、舌が、恐るべき性具となってウェンディーを襲う。 首筋も、鎖骨も、そして先ほどまでレジーナに弄ばれていた乳房に顔を埋めていく。
感じたら負けだ、ウェンディーは直感的にそう思った。昂揚し、ほんのりと染まりかけている 自分の肌を必死に押え込もうとする。しかし、パティの口唇がピンクの突起をやんわりと 包み込み、稚児のように吸い付いてくるとウェンディーの母性をくすぐった。 肉体の反応として、立ち上がる乳首はどうする事もできない。 ウェンディーには心が蕩けていかないように苦心するしかない。
「熱っ!!」
レジーナがウェンディーの股間を服の上から焼いた。タイツに丸く穴があき、 彼女の秘所を外気にさらしている。毛髪と同じ色の陰毛は焼滅してしまった。 ひりひりと、焼けた痛みが凍みてくる。
「あんたがどうして生き延びようとしているか、知っているよ。」
レジーナはその気になれば丸焼けにしてやるといわんばかりに、それでも やさしくウェンディーの性器を撫ぜあげる。
「生きていればバーンにあえる、そう思っているんだろ?」
ウェンディーの身が震えた。動揺はパティの愛撫を少しだけ吸い込んでしまう。 慌てて頭を切り替える。その手には乗るまい。心を決めるが、レジーナは楽しげだ。
「これ、誰のだと思う?」
レジーナの股間には堂々たる男根がそびえていた。ウェンディーは泣きそうな顔になった。 まさか・・・まさかそんなことは。いつのまにか、レジーナがディードルを装着していた。 彼女は嫌がるウェンディーにこれ見よがしに見せ付ける。
「これは、先日処刑された、エミリオのだよ。」
「今、ほっとしたでしょ?」
パティが絶妙のタイミングでささやいた。
「エミリオ・・・!」
今まで我慢してきたウェンディーの頭が次第に混濁しはじめた。 パティの執拗な愛撫が、敏感なお腹やおへそを刺激しているのもその 理由の一つではある。
「これはね、兄さんがNOAの技術を駆使して作ってくれた特別制だよ。」
「ふふふ、実は知ってる味だったりしてね。」
ウェンディーの口にそれを含ませようとするが、固くつむんでいるので 顔に押し当てる事しかできない。それでも、彼女の瞳は次第にとろんとしてきている。
「ウェンディ?血の巡りの良いあなたなら、これがどういう事か分かっているでしょ? それとも、血は全部あそこで待っちゃってるのかな?」
ウェンディーの恥骨を探り当てたパティは、だんだんとその花弁に近づいていく。 断続的に痙攣をしはじめたそこは、潤ってはいないものの段々と反応が顕著になっている。
「教えてやろうかい?これが気に入らなければ、バーンのを取ってきて良いって事さ。」
レジーナが残酷にささやいた。ウェンディーの瞳は、恐怖で一杯になった。
「あんたがこれをしゃぶれば・・・バーンのは」
「絶対?ぜったい??」
彼女の瞳から、涙が零れる。口元は開き、茹れが流れている。 先ほどまでの毅然とした表情が今では嘘のように惚けている。
「絶対、約束するさ。」
ウェンディーは自らそれを口にした。エミリオのだとは分かっていながらも・・・ そう、かわいそうなエミリオ、何をしてるんだろう、私。バーン、愛してる。 いろいろな思いが、どっと浮かび上がって、白く濁りはじめる。
「濡れてきましたわ、レジーナ様。」
喜びの声を上げ、堰を切った泉に指をあそばせる。ウェンディーの身体に 次第に紅が広がっていく。彼女の我慢が、とうとう崩れてしまったのだ。 一生懸命、エミリオのをしゃぶる。彼が愛しいから?それとも バーンのため?自分のため??
無理矢理活かされる男性器は、その機能を果たす。顔に飛び散る液体が 何であるか、ウェンディーの頭ではわからなくなってきていた。
「若いからね。いくらでも出るさ。」
パティが数えるように、襞と会陰をなぞっていく。レジーナがそこに割って入っていく。 肉体は受け入れを整えていた。いつでも、そしていくらでもウェンディーは感じられる。
「・・・エミリオが入ってきたぁ・・・」
思わず声が出る。レジーナはゆっくりと腰を使う。 処女じゃないんだね、初めてはバーンかい?そんな事を言いながら、 ウェンディーを蹂躪している。パティはアヌスに指を刺し込んで、 すごい締め付け、淫乱なんていって、ウェンディーは気持ちよくって、気持ちよくって・・・
「ああん・・・いいっ・・・ウェンディーいいっ・・・」
ウェンディーの分裂してしまった自我は、二人の責めに狂態を演じはじめた 自分の肉体をきわめて冷静に見つめていた。無感情な部分が置いてけぼりを食らって、 快楽をむさぼっているだけの固体を眺めているだけ。もうバーンの事もエミリオの事も、 彼女の心からなくなりはじめていた。全て、清く洗い流してしまったから。