神姫の没落・ウォンと栞
「さすが、神姫と言うだけあって、美しいですねぇ。」ウォン少佐自宅、自宅と言っても中国の宮殿が移転してきたかのような、 煌びやかで広大で、家具調度品、壁や柱にいたるまで総べて微に入り細に入っている。 贅を尽くした彼の家がやけにクドく感じるのは気の精だろうか? 住処は真実を映し出すという太湖の鏡の如く、住んでいる人間を映し出すのだが。
そんなウォン邸の地下室、地下室がある時点で相当変だが、 部屋のあつらえも相当変であった。石を切り出した壁には斧が掛けられている。 よくよく見れば古今の拷問用具が並んでいる。三角木馬、鉄の処女、ギロチン・・・ 拷問用具だけでは無い、殺人用具も同様であり、まだ凝固していない血も付着していた。
それは部屋というより、地下牢と言った方が良いだろう。事実、地下牢である。 その中で、一人の少女が壁際の鎖に両手両足を繋がれていた。 重そうな鉄の縛めは正常な神経の持ち主ならば痛々しく感じるだろう。 こんな仕打ちに信じられないだろう。しかし、この屋敷の主はそれをある種の芸術と思っていた。 美少女此処ニ束縛サレル之図。彼はこれを美しいと感じていた。自分の高尚さに似合うと。
少女は、先に軍サイキッカーによって拉致されてきた影高野の主、栞。 常人の身でありながら超能力者ばりの“あやかし”を操る術者の長。 彼らを統べていた彼女もまた、“サイキッカー”ではないが、能力者である。 その力は軍としては解明すべきものであり、後腐れを絶つ意味で他の影高野の者は殲滅しておいた。 後はゆっくりと彼女を研究すればよい。
そのついでと言ってはなんだが、ウォンは彼女の抵抗の意志を奪う事も兼ねてこうして自宅に監禁しているのだ。 今日で五日目になる。食べるものも食べさせられず、薄暗い地下牢の中で孤独に耐えている栞。 常人ならば発狂している所だろうが、さすが影高野の者と言うべきか極限状態に置かれても その瞳は澄み透り、確固たる意志を感じさせる。
影高野では、犬死には禁じられている。仏教である以上自殺も禁じられているのだが 我が身を以って外道の者と相打つ事もある。当然、彼女もその術を知っているのであるが・・・
倒せない。
栞はウォンの本質を見抜いていた。影高野の秘伝に語られる、この世の宿敵の一つに“黄幡の者”が数えられる。 この世に破壊をもたらすラゴウの星が転生したものを“黄幡”と呼ぶのだ。 彼にはその運命が有った。彼の強力な運気に対抗するには今の栞では幼すぎた。 せめて後三年・・・しかし時既に遅し。
そんな栞の心を知ってか知らずか、ウォンの目には冷酷非情な光が宿っていた。 ただの変態趣味とは違う。良心の咎めを失いながらも理性に輝く。それは既に狂気。
「折角のパーティです、盛り上がろうではありませんか。」
相手の為ではない、自分の為のパーティ。彼にとって己が全て、他の全ては自分に利用される為に存在している。 そう真面目に信じている。そしてそれを実行する。時空を操る能力、ウォン。 その能力ゆえに性格が助長したのだろうか、その異常なまでの自己中心性が能力を発現させたのだろうか。
栞の衣服が丁寧に脱がされて行った。その慇懃無礼なウォンの態度は栞を余計不安がらせる。 セレモニーが長ければ長いほど、狂宴への期待が高まる。あくまで主催者側の理屈であるが。 生け贄の少女はただ、悪魔の審判を待つのみであった。
いやな事が長引く事、それは誰しも忌避する事。 行為の当事者はそうであるが、長引かせようとする方は当事者が嫌悪する様を鑑賞し、 己の所業を確認してほくそ笑むのだ。
栞の、幼い白い肌が外気に曝された。まるで少年のようですよ、とウォンが冷たく微笑む。 まだ年若く、初潮も来ていない栞の身体は柔らかで細い。 幼い彼女の身体はあくまで滑らかで愛らしい。 しかし、それは愛でる事はあっても、欲情の対象にするには幼すぎる。
しかし、ウォンは敢えてそれをした。
乳首が啄ばまれる。ウォンの唇の生暖かさに顔を顰めた。 陥没したピンクの突起は彼の舌で掘り起こされる。 相手がどうであろうとウォンは過程を楽しんでいるようだった。 他人の身体を弄んでも、そこに居るのは己だけである。 栞はむしろ、その態度に悪感を覚える。
ウォンは彼女の身体の全てに指を、そして舌を這わせた。 辛い修行を送ってきた栞であるが、これ以上の辛さは味わった事はなかった。 どす黒い欲望を顕わにするウォン。
未だ蕾とも言えない秘所を探った。まだ熟れやらぬそこは傍若無人な男の指を頑なに拒む。
「未通で無ければ、神の嫁とは言えませんね。 文献を紐解いて見ても、処女を失う事で能力も失うケースは多く見られます。 これから実験に協力していただく以上、それは避けたいですね。」
分かってて言ってる、栞はウォンの言葉に戸惑った。 ウォンはただ相手の怖がる様を楽しんでいた。 そのまま、つつと彼女の股に指を這わせ、菊座へ到着した。 栞の背筋に悪寒が走る。
「ですから、私はこちらを賞味させて頂きますよ。」
栞の顔が恐怖に歪んだ。
性器ならば、それはそれで諦めたかもしれない。 連れ去られた以上、蹂躪されることも予測していた。 しかし、不浄の場所を犯されるとは!
幼い時分に枯れ果てたと思っていた涙が、彼女の頬を伝った。 一見慈しむ様に見せるウォンの表情は、栞の絶望を増大させる
ウォンの指が、リズミカルにそこをこねる。
「いやぁぁ!やめて!許して!!!」
体中に不快感が走った。気持ち悪い。まだ女らしい膨らみも知らない臀部を、 彼は無作法にまさぐり、掴む。鎖で繋がれた彼女の身体を持ち上げて位置を定める。 両足を持ち上げられ、あられもない姿を曝すことになる栞。 彼女の羞恥心は限界に達する。
彼の分身が当った。
ウォンはにやりと笑う。
「私は、女性は、嫌いなのですよ。」悪魔の宣告。女を否定する彼の言葉は、栞の心を大きく傷つける。
「うぎゃぁぁ!!!!」
同時に、一気にウォンは挿入した。 肉を抉られるような激痛が彼女に悲鳴をあげさせる。 尻の間に熱く生ぬるい滴りを感じる。出血しているのだ。
ウォンといえば、流れる血は潤滑液の替り位にしか思っていない。 その温もりを楽しんでいる。
ごりごりごり、衝かれるごとに骨盤が軋む。仙骨が砕かれるように痛い。 彼女は地獄の責め苦に歯を食いしばって耐える。
「なかなか、良い味をしてます。満足ですよ」
次第に突きが早く大きくなっていく。栞の苦しみも次第に大きくなる。 その、苦痛に歪む表情に、ウォンは恍惚の笑みすら浮かべた。 腰を大きく揺さ振り続ける。
急に、身を痙攣させるウォン、精を放出したのだ。それは彼の肉体的な快楽を意味するのではない。 貴女は貴女の意志に関わらず私の玩具なのです、それを宣誓する刻印に他ならない。
血糊に覆われた臓器に、異様に粘る体液が降り注ぐ。
栞は耐え切れず、嘔吐した。ウォンはというと、その姿に満足げに微笑む。赤く染まる下半身に目を細める。 その成果、自らの征服欲・支配欲を満たす事が出来た感激に、彼は打ち震えていた。 どうです、私からは逃げられないのですよ。そう言っているようであった。
この人は・・・救われるのだろうか?
栞は、自分の身よりも、この男の呪われた魂を憐れんだ。