第七話〜悩殺ダイナマイトレジーナ!
たわわに揺れる禁断の果実に兄妹の絆が今!?


 せつながB組の女子達にあーんなことやこーんなことやいっぱいされてた頃である。男は1人身体を引きずりながら、校内の保健室まで辿り着いた。倒れ込むように扉を開ける。唐突に響くガラガラという機械的な音が室内の職員を振り向かせる。

 「レジーナ・・・」

 「兄さん!どうしたのよ!」

 「痛かったよ、レジーナ。」

 レジーナと呼ばれた彼女は慌ててカルロに寄りそい、ベットに連れて行く。
 兄さん、と彼女は言った。レジーナ・ベルフロント、22歳。カルロの妹である。今年度から箱船高校の保健担任として勤務している。兄と同じ職場で働きたいが為に。そう、彼女は過度のブラコンだったのだ。

 「すぐ横になって!」

 「済まない、レジーナ。」

 レジーナは手際良くピンセットで綿をつまみ、消毒液を浸す。棚から薬剤を取出す度に彼女の豊かな胸が揺れる。その豊満なナイスバディは箱船高校の男子を一気に虜にし、確固たる権力を握るに至っている。揺れる腰を見つめるカルロ。

 「少し染みるよ。」

 傷にそっと触れる。
 その瞬間、カルロはのた打ち回る!この手の痛みに弱いらしい。

 「兄さん!死んじゃやだよぉ!」

 「大丈夫だレジーナ。このくらい・・・うぐ!」

 「喋らないで兄さん!」

 さすが保健の先生、口では心配しながらも情け容赦なく傷を消毒していく。打ち震えるカルロが痛々しい。実際の所、怪我と言っても擦り傷だけで深刻なものは無い。消毒するだけ大袈裟かもしれない。レジーナはご丁寧に、傷口に包帯を巻く。

 「これというのもエミリオ・・・そしてあの得体の知れない生命体が・・・」

 「エミリオ!?あの悪がきかい?!」

 エミリオは以前、マイトから不意打ちを受け(マイトはぼこぼこになったが)て傷を負い(かすり傷)、保健室を訪れた事が在る。結構好みのタイプだったエミリオにレジーナは胸を強調し、ふとももをあらわにし、いつもよりも余計優しく接した。しかし、レジーナの悩殺攻撃にも関わらず、彼は全く無関心だったのだ。エミリオは昼飯の時間の方が気になっていたのである。これは即ち、彼女のプライドを多いに傷つける事であった。

 「エミリオだったら、今度は赤チンの替りに唐辛子オイル塗ってあげるよ!」

 と、保健の先生らしからぬ事を言い放ちながらも作業を進めるレジーナ。

 「ありがとう、レジーナ・・・」

 それを先生ながら肯定するカルロ。
 そう言いつつもカルロの指が、レジーナの頬をなぞる。
 「待って・・・だって兄妹・・・」

 「関係無いさ、レジーナ。」

 眼鏡の向うの優しい瞳、兄の瞳に自分が居る。二人は永遠の時に溶けてゆく・・・

 かのよう見えたが、

 「一年Aのエミリオォォォ。至急“奥の間”に来ぉぉい!」

 野太い声にずりこける二人。校内放送が流れるのは保健室も例外ではない。しかし、玄真の渋くて濃い男の声は二人の雰囲気をぶち壊すには十分であった。

 「僕は負けませんよ。」

 いつのまにかギブスまで付けられたカルロは、スピーカーに向かって闘志を燃やした。


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