57. 統計からみた、わが国の教育事情


              56. School violence, Bullying, Long-term absence etc.
 杉田 荘治

はじめに
    近く、教育白書などの統計から、校内暴力、いじめ、中途退学などの問題を主としてグラフによって
    示して、わが国の教育事情を英文で説明するが、ここではその概要を和文で述べておこう。

T 校内暴力
文部科学省『教育白書』平成12年度版から
   年  次   1998   1999   2000
   小学校   1,304   1,528   1,509
   中学校  18,209   22,991  24,246
   高等学校   4,108   5,152   5,300
   合  計  23,621  29,671  31,055

【コメント】 校内暴力には、対教師暴力、生徒間暴力、器物破壊などが含まれる。数字はご覧のとお
        り。
● なお、警察庁『犯罪統計書』平成12年度版によれば、 1999年中の刑罰法令に触れる行為の
  少年・少女の数
      脅迫犯 173.... ( 殺人 1,  強盗 33,  放火 127,  強姦 12 )
     粗暴犯 1,507   窃盗犯 16,968,   知能犯 21,  風俗犯 81,   その他 3.753
  
U いじめ
同上 『教育白書』
   年  次   1994   1995   1996   1997   1998   1999
   小学校  25,295   26,614  21,733  16,294   12,858   9,462
   中学校  26,828   29,069  25,862  23,234   20,801  19,383
   高等学校   4,253   4,184   3,771   3,103   2,576   2,391
   合  計  56,376  59,867  51,566  42,631  36,235  31,246
【コメント】 いじめの数は減少してきているが、依然として高い水準にむある。緊急避難、欠席の対策
      の他、チャーター・スクールなどの施策も必要とされよう。 なお、グラフは次ぎのとおり。
V 不登校

  同上『教育白書』
 年次 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
小学校 12,645 13,710 14,769 15,786 16,569 19,498 20,765 26,017 26,044
中学校 54,172 58,421 60,039 61,663 65,022 74,853 84,701 101,675 104,164
 合計 66,817 72,131 74,808 77,449 81,591 94,351 105,466 127,692 130,208
【コメント】 不登校の背景としては、本人に問題がある場合、学校に問題がある場合、また[学校へい
      かなければならない]という社会的意識の変化などがあるとされる。前述のようにチャーター・
      スクール、クラスの生徒数の減少などが考えられる。
W 高校における中途退学

   同上『教育白書』
年次 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
総数 123,069 123,529 1 12,933 101,194 94,065 96,401 98,179 112,150 111,491 111,372
%
  2.2   2.2   2.1   1.9   1.9   2.0   2.1   2.5   2.6   2,6
【コメント】 中途退学の理由は、いわゆる勉強嫌い、進路変更など。 ほとんど、2%台であるが、やや増
        える傾向にある。 すなわち、1999年度には、2.5 %, 2000年度には、2.6 % となっている。
        世界的にみれば低いといえようが、やはり、わが国の問題の一つであろう。
 2002. 3月記     続く....本務教員数、生徒数、教員組合などの統計        無断転載禁止